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ドラケンスバーグ少年合唱団の録音を追っていくと「1973年」に行き着きます。
1973年。
この歴史の浅い音楽学校の合唱団がこの年に少なくとも4枚の録音を残しているのです。
(もしかしたらもっと有るかもしれませんが私は現時点で4枚しか確認できていない)
いったい1973年に何があったのか?
わりあい長い間、私は疑問を抱えていたのですが、最近、答えがあっさり届きました。
1970年代に「兼高かおる世界の旅」でTV放送されていたのです。
「1973年にイスラエルで開かれたCHOIRの世界フェスティバルで最高の賞を得た」のだそうです。
なるほど。兼高さんは、「ドラッケンスベルグ」と言っておられました。
…実は、私、リアルタイムでこの番組を見ておりました。が、スッカリ忘れていた。
同じくリアルタイムで見ていた私のCHOIR友だちは「地図帳」でドラッケンスバーグを調べたそうですが、CHOIR友だちとのその差が現在に至っているような気がします。
Drakensberg Boys Choir-Those Naughty Angels (EMI Brigadier BRS 356 ) 1973年
変声前の子どもの声だけで録音されていますが、変声前の声に限って言えば、いかにも児童CHOIRしていて、しかも、ディズニー映画にそのまま使えそうな、育ちの良い、良家の御子弟系合唱で、野性的なイメージはありません。その分、ソロもファルセットっぽくいじっていないので、ソリストの特質をそのまま活かしていて素材の魅力がいっぱいです。言葉が違うのに、合唱はときどき、「天使のハーモニー」時代のビクター少年合唱隊の合唱をシャープにしたようにも聴こえました。大人から見てこう育って欲しいという理想的な子どもの姿が合唱から垣間見えてきます。LLOYD EDWARDS くんのソロを思わずリピートして聴いてしまいました。現在のDrakies達のステージは楽しそうなところが大好きですが、現在とは全く違うかつての彼らも大好きです。
HAPPY WANDERERS (EMI -Brigadiers BCP 1275)1973年
アルバムカバー裏の団員の集合写真。みんな小学生っぽく幼いです。
こんな小さな子どもたちが
「ドラッケンスベルグ少年合唱団で歌いたいから」ただそれだけで、
学費を出してもらって、親元を離れて山の中で過ごしているなんて…この子どもたちにとっての歌の魅力&合唱団で歌うことの魅力を知りたいと思いました。
この盤は、幼い団員に相当する音質の合唱で演奏力も昨今と比較するとそれなりですが、オソロシイことに10歳(ホント?)のソリスト君から超ソフトな女声系の声でフレーズが聴こえてきたりします。この合唱団のソリストの声質は寒色系ではなくて暖色系なんですね。
合唱は元気とキレがあってかわいい。CHOIR友だちいわく、この録音、平均年齢9歳(ホント?日本ふうに換算すると小学3年生ですがホントに?)のトレーニングCHOIRなんだそうです。
に、しては、聴いていて泣けてきそうなソロとデュエットです。ホント。
切ないくらいに愛おしさを感じさせてくれます。う・う・う…。
やはり Over the Rainbow を繰り返して聴いてしまいました。う・う・う・う・う…。
路線が変わったのでこの手の声質のソロは今のDrakiesにはありません。
特にもA面。
聴いていただきましょう。
泣いていただきましょう。…の純な声の世界が残されています。
World Choir Festival ISRAEL-1973 ((Brigadiers BCP 1284 A EP)
これが、イスラエルでの最高賞と関係ありそうなその名もズバリ「World Choir Festival ISRAEL-1973」
変声前の編成ですが、子どもらしさは影を潜め、音が洗練されて来ます。
同時にソリストがまろやかに女声っぽい。そしてオソロシク上手です。
合唱にもスキがなくて、コンクールで一等賞を取る、ってこういう類の演奏なんだな、と妙に納得してしまう録音です。
The Greatest Gift-Die Grootste Gawe (Drakensberg Boys Choir/Seunskoor)
イスラエルでの輝かしい成功を収めて以後の録音で、お兄ちゃんCHOIRにシフトしたせいか、成熟したCHOIRへと変貌しました。上手で、雰囲気が上品です。ソロも。
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