(VICP-60144)
収録曲の選曲に,ワザを使った1作目3作目のCDと比較して,2作目に並ぶ曲は B−Sに興味が無くても,クリスマスになると聞こえてくる定番中の定番の曲ばかりで 聞き流してしまうと面白みに欠ける。
では,なぜ,このつまらない(?)プログラムをあえて歌わせたのか? コナーなら,普通のB−Sでは歌えないような,もっと別な曲を歌えただろう。
たぶん,それは,スター・コナー・バロウズのB−Sそのものへの自信に裏打ちされているんじゃないかと思う。イギリスでは,季節が巡れば,普段の生活に近いところで歌われている曲なんだろうが,B−Sソリストなら誰でもなんとなく簡単に歌ってしまいそうな曲を,コナーは,精神的に深いところで歌っているのが,伝わってくる。
ここでのコナーとその声は,少年という一時期の輝きというよりも,一人の個性として円熟期のまさに頂点に有るような気さえする。
この技量にこの選曲では惜しすぎる。この選曲ならもっと以前に声がまだ幼かった頃に録音していて欲しかった。そしてこの表現力なら、この時の彼に相応しい曲が他にあっただろう。
他のB-Sとコナ−との決定的な違いは深い精神性の自覚にある。
偉大である。
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