(Sony Music Labels AICL 2753-4) 2014.10.29
一昨日、初めて amazarashi という人の『穴を掘っている』を聴いてビックリ・・・いったい、これはなんなんだ? 何を歌っているんだ? you tube で数曲聴いたけれど、らちがあかない。ということで、昨日、買って聴いたのがこのアルバムです。
とにかく、言葉が響いてくる。響くような声と歌い方をしている。人の声が音楽の主人公になっているところがスゴク良い。
声と歌い方は、尾崎豊とさだまさしを足して2で割った感じかなと思いました。叫ぶように歌っているんだけれど、声がとってもきれいで音そのものがクリアで気持ち良いんです。
詩の単語のあやつり方の麗しいこと。詩っぽくない言葉がアクセントになっている。哲学なのか宗教なのか、わからないけれど、この作品は作者の哲学であり、宗教でもあるんでしょう。そして、想いを誠実に表現しているから、伝わってくるんですね。さすが、プロ。
一番、スッと入り込んできたのは「11 ひろ」。大人がくだらなくて子どもがその対極にある、等の固定観念が残っているのは残念(見ていて子どももかなりいやらしさを持った小さな大人をしていることがあるから)だけれど、そこはお定まりのコースだから仕方ないか。
こんなふうに伝わる歌を歌うことができるのは「くだらない大人」と形容しているあなた自身では? 19歳の時空を心に刻んで大切に生かしているあなた自身では?
19歳のときのあなたには決して歌うことができなかった歌なのでは?
アルバム全体を聴いて感じたのは、決して絶望していないこと。自分を肯定していること。そこが救われるような気がするんじゃないかと思う。
価値観なんてひとそれぞれ。だから、心の中の羅針盤を信じて舵を取れば良いだけのこと。「急げ」とCDケースの内側に作者からの小さな小さな文字でメッセージがあった。でも、凡人にはこれが難しい。
どう生きても失うものはあるし、得るものもある。んじゃないか。 19歳のまま歌い続けるamazarashi さんも居るし、19歳の自分を得るために42年を費やさなければならない私も居る、だけのこと。変化するのはボディのみ。
子ども時代の自分を大切に心に仕舞って生きている「汚れた?」大人は結構いるんじゃないかな。そういう人たちが壁に阻まれたり、何か傷を抱えていたり、ブルーな中でも、けなげに何かに向かう姿、あきらめない姿が共感を呼ぶんじゃないかな。彼ら自身に近い所で歌っているという臨場感もあり、聴いた中ではこのCDが一番かな。
anthology1386 (AIXL-50/BD)2014.03.26
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