これは、(忘れましたが、たぶん)最初はLPで聴いて、次に、手軽に聴くためにCDも、と考えて購入した盤だと思います。
いろいろな録音で聴いた曲なので、他にもコレクションはあると思いますが、私にとって、この盤が「フォーレのレクイエム」の基準値になる演奏です。
昔の録音なので、今聴くと、どうしても、音の輪郭が滲んで曖昧な採録状態ではあるのですが、この点に関しては、高音質CDで再リリースされているようなので、これから聴かれる方には、そちらをお奨めします。
指揮、聖歌隊、オーケストラともに、清らかで心根が慎ましく、音楽が天を目指して静かに昇って行くような感じがしました。聴いていると、音に乗って、天上へと案内されるような音楽です。
アラン君のソプラノは、どこか聖歌隊の声質に通じるものがあり、納得のソリストです。彼自身のソロを楽しむというよりも、曲全体を当時は聴いていましたし、そういう普通の聴き方が相応しい録音だと思います。基準値演奏に相応しい音質のCDに買い替えるかどうかは、頭を冷やしてから決めたいと思います。
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