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A Cappella at St.Thomas (番号無し)
conducted by Gerre Hancock
まずはタイトル通りに、聖トーマスにおけるアカペラの選曲をチェック! タイトルだけ見て「うむ、うむ」と頷くことなかれ。Hear my prayerはPurcellだしAve verum CorpusはByrd、Laudate DominumはTallisなのだ。そこに聖トーマスの技というか主張が垣間見えるような・・・。
そして肝腎の演奏は、というと・・・◎。
これってもしかして本拠地の教会での録音?
残響が実に実に美しい。ちとソプラノ系が私の更年期耳に痛い気もするが、聞こえてくる音が限りなく深い。そして聖トーマスというと、(正直に言うと)CDで聴いたときには、音がこもって濁っているようで、私はパスしていた。が、このLP盤からは、透明感に溢れた合唱が聞こえてくる。
いつもの楽な言い回しをさせてもらうと、WSKコンサートの第1部をWSK+コルス・ヴィエネンシスで務めている趣がある。でもって+ちょびっと華やか(トーマスのBS効果)で哀しい(男声)。
私はEmendemus in Meliusを聴いてバードの世界に浸ってしまった。
ああ、現実に戻りたくない。今でもこの音を教会で聴くことが出来るならばニューヨークに行く価値はあるぞ。
2〜30年も前に某がニューヨーク聖トーマスは良い、と言っていたのを私はフンフンと聞き流していたが、彼女はもしかしてこの生声を聴いていたんだなあ・・・と納得。
ソロは全くない(と書きたかったのに豊饒感にあふれた拡がるソプラノソロが最後の曲に数秒あった)。
2面に至っては初めて聴く作曲者の作品ばかり。旋律がビミョウに新しいっぽいが、(2100円の音楽中辞典ではB面作曲者の名前を探せず)A面の曲想とも違和感がない雰囲気だし、どう声を出せばどう聞こえてくるかを熟知した上での演奏は、臨場感に溢れ、輝き、最高の結果を出した、と言えるかもしれない。
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